ご祝儀や香典はいくら包めば良いのか、地域差や年代、関係性で迷う人は少なくありません。相場はあるものの「絶対の正解」ではなく、状況に応じて調整するのが実際的です。本稿では、一般的な相場を起点に、地域差・年代別の考え方、困ったときの判断軸までを整理し、無理のない範囲で気持ちが伝わる実践のコツを提案します。
課題の整理とこの記事のねらい
- 相場がわからない：金額レンジを知りたい
- 地域差や慣習の違いが不安：最低限のツボを押さえたい
- 年代や立場で迷う：自分に合う線引きを見つけたい
結論としては「相場＋関係性＋地域慣習＋自分の無理のなさ」で決めるのが失敗しにくい方法です。
ご祝儀の相場と考え方
- 友人・同僚：3万円がもっとも一般的。20代前半や学生は1〜2万円も現実的。
- 上司・先輩：3〜5万円。肩書きより関係の近さを優先。
- 兄弟姉妹：5〜10万円。家の意向で合わせることも。
- 親族（いとこ・おじおばなど）：3〜5万円。
- 夫婦で出席：5万円が目安（7万円にする例も）。
- 連名（友人2〜3人）：合計3〜5万円程度でバランスよく。
ポイントは「新札を用意」「偶数は避けるが、近年は2万円を“ペア”で良しとする地域もある」「受付の案内（ご祝儀辞退、会費制など）があれば必ず従う」です。
香典の相場と注意点
- 友人・知人：5千〜1万円。
- 職場関係：5千〜1万円（部署で取りまとめる場合は規程に従う）。
- 親族：1〜3万円、近い親族は3〜5万円。
- 兄弟姉妹：3〜5万円（喪主側なら香典は出さないのが一般的）。
不祝儀では「新札は避ける」「黒白（関西の一部は黄白）の水引」「表書きは宗教で変える（仏式：御霊前/御仏前、神式：御玉串料、キリスト教：御花料）」。近年「香典辞退」の案内も増えています。辞退が明記されていれば、供花や弔電も含めて案内に従いましょう。
地域差のポイント
- 北海道・一部東北：結婚式は会費制が多く、1万〜2万円程度の明記が一般的。ご祝儀は原則不要。
- 北陸・東北：香典相場がやや高めの傾向。地元家族に確認を。
- 関東：不祝儀は黒白の水引が主流。奇数金額を重んじる傾向。
- 関西：不祝儀で黄白の水引を用いる地域あり。
迷ったら、同席予定の友人や地元の親族、幹事に尋ねるのが最短です。
年代別・立場別のマナー
- 20代：無理なく相場の下限で。出席自体が最大の祝意・弔意。
- 30〜40代：標準相場〜少し上乗せ。夫婦・子連れ参加のときは先方の負担感にも配慮。
- 50代以上・既婚：家としての体裁や親族内の基準を優先。
- 会社関係：社内の慶弔規程や取りまとめ方に準拠。
額面だけでなく、メッセージや身だしなみ、当日の立ち居振る舞いも大切です。
実践チェックリスト
- 案内状の形式（会費制・辞退の有無）を確認したか
- 金額は相場・関係性・地域で無理なく決めたか
- のし袋・表書き・筆記具・ふくさの色は適切か
- ご祝儀は新札、香典は新札を避けたか
- 会社の規程や親族の取り決めに合わせたか
迷ったときの決め方（シンプルな公式）
基準額（相場）±関係性の濃さ±地域慣習±自分の無理のなさ＝当日の金額。
最終的には「継続できる範囲の誠意」がいちばん。迷ったら事前に周囲へ相談し、当日は明るく丁寧にふるまうことが、なによりのマナーです。
