デートの「ごはん」は、距離を縮める最短ルートでありながら、店選びや予算配分を間違えると気まずさが残りがち。そこで本稿では、初デートから記念日まで使える「予算別・外しにくい正解リスト」を提案します。香りや席の形、会話の弾みやすさなど、味以外の要素も加味した“総合点”で選ぶのがコツ。迷ったときの考え方と、すぐ使える注文テンプレまでまとめました。
まず外さない店選びの原則
- 香りと音量：強いにんにく・煙・爆音BGMは避け、会話しやすい音量の店。
- 席：横並びカウンターかL字が最強。距離が近く、メニューも相談しやすい。
- 手が汚れにくい料理：骨・殻・飛び散りソースは控えめに。
- 清潔感：トイレ含めて清潔。カトラリー・グラスの状態は要チェック。
- 支払い導線：事前予約とキャッシュレスでスマートに。
¥3,000以下：肩の力を抜く“1軒＋甘いもので締め”
等身大のカジュアルさと清潔感のバランスが鍵。ネオ居酒屋や小皿バル、スパイス控えめのカレー、クラフトサンドの店など、短時間でサクッと楽しめる業態を選び、最後は近所のジェラートや喫茶でゆるく締めましょう。
おすすめの頼み方：小皿2〜3皿をシェア＋軽い炭水化物1、ドリンク各1。合計時間は60〜80分。
¥5,000前後：会話が弾む“シェア”中心のビストロ＆ピッツァ
石窯ピッツァ×前菜盛りのビストロ、創作おでん、アジア小皿系は外しにくい鉄板。取り分けを前提にすると自然と会話が増えます。香りは穏やか、照明はやや暗めで。
おすすめの頼み方：前菜盛り＋サラダ＋温菜1〜2＋ピッツァorパスタ1枚（半分こ）＋デザート1つをシェア。ドリンクは最初だけ各自、その後はボトルではなくグラスで調整。
¥8,000〜¥12,000：短めコースで“安心”と“余白”
カジュアル割烹やモダン和食、良心価格のフレンチコースが狙い目。2時間前後のショートコースを選ぶと、会話の時間も確保できます。予約時に辛味・生もの・アレルギーなどを軽くヒアリングしておくと安心。
おすすめの頼み方：コース＋グラス2杯まで。ペアリングはフルではなくハーフで。甘党なら食後のプリンや固めチーズケーキが満足度高め。
¥15,000以上：記憶に残す“静けさと所作”
特別な日は、席の良さで差が出ます。カウンター主義の鮨・鉄板・割烹なら、職人との距離感が体験価値に直結。フレンチやイタリアンなら半個室で落ち着きを。過度なサプライズは控えめに、メッセージプレート程度が上品です。
おすすめの進行：到着前にお店へ苦手・記念日を連絡→食後は徒歩5分圏の静かなバーor喫茶で余韻→帰路の交通手段をさりげなく提示。
シチュエーション別ショートリスト
- 初デート昼：¥2,000〜¥3,000のランチコース＋食後の喫茶。明るい時間帯で安心感。
- 雨の日：駅直結のビストロorホテルカフェ。濡れない導線を優先。
- 映画後：味が強すぎない小皿バル。作品の感想を語りやすい音量の店を。
- 仕事終わり遅め：立ち寄りやすいワインバーで小皿2品＋チーズ＋グラス2杯まで。
失敗を避けるミニTIPS
- 強いにおい、飛び散りやすいソース、長時間待つ店は今回は回避。
- 事前ヒアリング3点：苦手食材、辛さ耐性、アルコール可否。
- 写真は控えめに。撮るなら料理が揃った最初に一度だけ。
- 会計は席を立つ前に。予約名義で伝票をまとめておくとスマート。
予算別・クイックオーダー例（そのままオーダーしてOK）
- ¥3,000：前菜2種（冷/温）＋軽めの主食1（キッシュorカレー小盛）＋ソフトorサワー1杯→ジェラート1カップ。
- ¥5,000：前菜盛り合わせ＋温菜1（魚介）＋ピッツァ1（マルゲリータ系）＋グラス2杯（1杯ずつ）＋デザート1をシェア。
- ¥10,000：ショートコース（5〜6皿）＋グラス2杯（泡→白or日本酒）＋食後にプリン/カヌレ。
- ¥18,000：季節のコース＋ペアリング半分（3杯程度）→静かなバーでノンアル1杯で締め。
結局のところ「正解」は、相手の好みとその日の体調に寄り添う姿勢。予算は“体験を整えるための目安”と捉え、香り・席・時間配分・支払い導線を整えるだけで満足度は驚くほど上がります。今日の一食が、次の約束につながりますように。
