「Wi‑Fi 5、6、6E、7って結局どれを選べばいいの?」——名前は知っていても、自分の使い方に合うかは判断が難しいもの。無理に最新を買っても効果が出ないこともあれば、逆に古いままでストレスが増えているケースもあります。本稿では、用途別の最適解と買い替えの目安を、専門用語をできるだけ避けて整理します。
いま知っておきたいWi‑Fi規格のざっくり整理
Wi‑Fiの規格はおおまかに「4(古い)→5→6→6E→7(新しい)」の順に進化しており、基本は下位互換です。つまり新しいルーターでも古い端末はつながります。
- Wi‑Fi 4(11n): かなり古い。2.4GHz中心で混雑に弱く、IoTや予備用に限定したい。
- Wi‑Fi 5(11ac): 5GHzが主力。単世帯ならまだ実用的ですが、多台数・同時通信にはやや弱い。
- Wi‑Fi 6(11ax): 同時接続や混雑への強さが魅力。いまの定番で、対応端末も広く普及。
- Wi‑Fi 6E: 6GHz帯が使える地域・環境なら干渉が少なく快適。対応端末が揃うほど効果的。
- Wi‑Fi 7(11be): さらに低遅延・広帯域。長期利用や上位回線に合わせて選びたい先進規格。
周波数の特徴もシンプルに覚えておくと選びやすくなります。2.4GHzは遠くまで届きやすいが混雑しがち、5GHzは速いが壁に弱め、6GHzはさらに空いていて快適(使える地域や端末なら)というイメージです。回線(光1Gbps/10Gbpsなど)が速くても、ルーターが古いとボトルネックになる点にも注意しましょう。
用途別の選び方
リモートワーク・オンライン会議: 安定最優先。Wi‑Fi 6以上を推奨。上位機なら処理余力があり、映像や音声が乱れにくい。PCは可能なら有線も活用。
動画視聴(4K/8K)と家族での同時利用: 同時接続に強いWi‑Fi 6〜6Eが快適。戸建てや広い住居ならメッシュ対応モデルが効く。NASや録画データ共有をするなら2.5G以上の有線ポートがあると将来安心。
オンラインゲーム: 低遅延が命。最優先は有線接続。無線ならWi‑Fi 6/7の上位モデルと、端末側の対応(最新スマホ/PC)をセットで。ルーターの優先制御(QoS)も役立つ。
スマートホーム(IoT多数): 2.4GHz機器が多くても、Wi‑Fi 6の同時通信の強さで全体を安定化。IoT専用SSIDを分けると最新端末の帯域が確保できる。
マンションなど混雑環境: 干渉回避が鍵。5GHz/6GHzの使い分けと、自動チャネル最適化機能を重視。6Eが使える地域・端末なら最有力。
広い戸建て・電波の死角: ハイエンド1台より、メッシュ2〜3台のほうが実用的。家中でのローミングがスムーズで体感が上がる。
買い替えの目安
- 使用年数が5〜7年を超えた(部品劣化やセキュリティ更新の観点)
- 端末が10〜20台以上に増え、混雑や遅延を感じる
- 光回線を1Gbps超(2Gbps/10Gbps)にしたのに速度が伸びない
- 4K配信やクラウドゲームでカクつく、会議で音声が途切れる
- 引っ越しで間取りが変わり、死角や干渉が目立つ
- 6GHz対応端末が増え、6E/7のメリットを活かせる
迷ったら「Wi‑Fi 5以下ならWi‑Fi 6へ、長く使うなら6Eか7」を基準に。6GHzが使えない地域や端末なら、完成度の高いWi‑Fi 6上位機で十分な満足が得られます。
モデル選びの実用ポイント
- メッシュ対応: 後から中継機を増やして家全体をカバーしやすい
- 有線ポート: 2.5G/10G対応なら回線アップ時も安心、NAS連携も高速
- 放熱とサイズ: 高負荷でも安定しやすい筐体設計を。設置場所も考慮
- セキュリティ: 自動アップデート、WPA3、来訪者用ゲストネットの有無
- 設定アプリ: 初期設定や遠隔管理、障害時の見える化が簡単だと運用が楽
買い替え前に試したいこと
- 設置場所の見直し: 住居の中心・高め・障害物少なめに
- 2.4/5/6GHzの使い分け: 家電が多い場所は5/6GHzへ逃がす
- チャネル自動最適化を有効にし、干渉が多いときは再起動で再探索
- 古い機器は「IoT専用SSID」に分離し、最新端末の帯域を確保
- ゲーム機やPCは可能なら有線へ。無線は混雑時間帯を避ける
結論:用途と期間で決める
1〜3年の短期ならコスパの良いWi‑Fi 6、3〜5年先まで見据えるなら6E、端末や回線も順次アップグレードする計画ならWi‑Fi 7が候補です。家族構成や間取り、端末数、回線品質を合わせて考えると、過不足のない選び方ができます。買い替えのタイミングは「不調の自覚」だけでなく、「生活の変化(端末が増えた・在宅が増えた・回線を速くした)」が合図。あなたの使い方に合った規格と構成で、次の数年を快適に過ごせる一台(またはメッシュ)を選びましょう。






















