写真は思い出の資産。けれど、スマホが増え、家族それぞれが撮りため、気づけば容量と整理に追われがちです。どのクラウドに置けば安心か、乗り換えるなら何を残し、どう移すのかも悩みどころ。本稿では、一般の方でも迷わず選べる基準と、失敗しない移行・復元のコツをまとめました。
選び方の基本:ここだけ押さえれば大丈夫
- 容量と料金:今の合計容量+来年分の増加見込み(例:毎年100GB増)でプランを選ぶ
- 画質と形式:元の画質で保存できるか、HEIC・RAW・動画に対応しているか
- 対応端末:iOS/Android/PC/ブラウザで同じように使えるか、家族共有が簡単か
- 検索と整理:人物・場所・被写体検索、重複検出、アルバム自動作成の精度
- プライバシーと安全性:二段階認証、共有リンクの管理、データ暗号化の有無
- 持ち出しやすさ:一括エクスポートの方法や制限、乗り換えのしやすさ
料金・容量をムダなく見極める
まず「年間に増える容量」をざっくり把握しましょう。写真1万枚(平均3MB)で約30GB、4K動画をよく撮るなら一気に増えます。余裕を見て現在の使用量+1~2年分をカバーするプランが現実的。家族で使うなら、家族共有プランの方が安く管理も楽です。
移行前の準備:後戻りしない段取り
- データの棚卸し:端末・SD・旧クラウドに散らばった写真を一時フォルダに集約
- 重複とブレの整理:明らかな失敗ショットを先に削除すると移行が軽くなる
- メタデータ確認:撮影日・位置情報が残っているか。欠けていればPCで修正
- 旧サービスのエクスポート仕様を確認:原寸、アルバム構成、タグが出力されるか
- 新サービスの初期設定:元画質/モバイル通信時のアップロード/自動整理のルール
安全に乗り換える手順(失敗しない順序)
- 旧サービスから原寸でエクスポートし、外付けドライブに一次保管(検証用に残す)
- フォルダを月別・年別に分け、数回に分けて新サービスへアップロード
- アップロード後、撮影日順・枚数が合うかを小分けで検品(アルバムも点検)
- 人物・場所の自動タグは時間差で反映。1~2日置いてから検索精度を確認
- 全体の一致を確認してから、旧サービスのデータ削除に移る(猶予期間を設ける)
復元のコツ:いざという時に慌てない
- ゴミ箱(復元可能期間)を把握:30~60日が多い。定期的に空にしすぎない
- バージョン履歴やアーカイブ機能:編集前の写真に戻せるかを事前に確認
- オフラインの保険:年1回は外付けHDDへ一括バックアップを作り、復元テストをする
- 連絡先やカレンダー連動のアルバムは、共有リンクの再発行が必要な場合あり
よくある落とし穴と回避策
- 撮影日が撮影日時でなく「取り込み日」に化ける:エクスポート時にEXIF保持を選ぶ
- アルバム・共有リンクは引き継がれないことが多い:重要な共有はリスト化して再発行
- Live Photosや短尺動画の音声が欠ける:対応表を確認し、非対応は動画として保存
- 容量超過で同期停止:新プラン反映までのタイムラグに注意し、アップロードを一時停止
- 自動圧縮で劣化:旅行や記念日の写真は元画質保存の例外ルールを作る
まとめ:長く安心して使うために
最適なサービスは「たくさんの機能」より「あなたの撮り方」との相性で決まります。容量と費用、対応端末、検索・整理、そして持ち出しやすさの4点を軸に比較し、移行は「原寸で残す」「小分けに検品」「旧環境をしばらく保持」の三原則で。復元はゴミ箱期間とオフラインの保険が決め手。今日のひと手間が、数年後の安心に直結します。






















