「厳かで日本らしい結婚式をしたい。でも費用や流れ、マナーがよくわからない」。神前式は魅力的ですが、情報が断片的で比較しづらいのが悩みどころ。そこで、本稿では費用の目安、当日の進行、衣装選び、マナーのポイントをやさしく整理し、はじめてでも迷わない準備のコツをご提案します。
神前式の特徴と向いているカップル
神前式は神社(または神殿)で神に結婚の誓いを立てる挙式スタイル。雅楽や巫女舞、参進の儀など、凛とした空気感が魅力です。参列は親族中心が基本ですが、神社によっては友人参加も可能。厳かな雰囲気が好き、和装で写真を残したい、家族中心でコンパクトに挙げたいカップルに向いています。
費用の目安と内訳
費用は神社や地域、オプションで幅があります。あくまで一般的な目安としてご覧ください。
- 初穂料・挙式料:5万〜20万円前後(有名神社は〜30万円程度の場合あり)
- 衣装(白無垢・色打掛/紋付羽織袴)レンタル:20万〜40万円前後
- 美容・着付け・介添:5万〜15万円
- 写真・動画:5万〜20万円(スナップ+集合写真など)
- 雅楽生演奏や巫女舞の追加:5万〜10万円前後
- 会食(任意):1人1.5万〜2.5万円目安+会場費
挙式のみなら30万〜80万円程度、会食まで含めると総額は人数に比例して上がります。持込料や控室料の有無、雨天対応費なども事前確認を。
当日の流れ(目安)
全体は約90〜120分、挙式自体は30〜40分が一般的です。
- 集合・受付(参列者案内、支度の最終チェック)
- 親族紹介(両家の顔合わせ)
- 参進の儀(雅楽に合わせ本殿へ移動)
- 修祓・祝詞奏上(お清めと祝詞)
- 三献の儀(夫婦固めの盃)
- 誓詞奏上・指輪交換(指輪は任意)
- 玉串拝礼・親族盃の儀
- 退下・記念撮影・移動
写真撮影は「撮影可の場面・不可の場面」の指定があることが多いので、事前に神社とカメラマンで共有しましょう。
衣装とヘアメイクの基本
新婦は「白無垢」「色打掛」「引振袖」から選ぶのが定番。髪型は文金高島田+綿帽子/角隠し、または洋髪アレンジ。小物(懐剣・筥迫・末広)とのバランスも大切です。新郎は黒の紋付羽織袴(五つ紋が基本)。
親族は、既婚女性が黒留袖、未婚女性は振袖やセミフォーマル、男性はモーニングやダークスーツが一般的。足袋や肌着の準備、和装用補正タオル、歩きやすい草履など実用面も忘れずに。暑さ寒さ対策の薄手インナーや防寒ショールがあると安心です。
マナーと注意ポイント
- 到着は余裕を持って(挙式60〜90分前目安)。境内では大声や喫煙を控える。
- 手水舎の作法や拝礼(二礼二拍手一礼)を案内しておくと参列者が安心。
- 撮影ルールを順守。フラッシュや立入禁止エリアに注意。
- 初穂料はのし袋に「初穂料」または「玉串料」と記し、新郎新婦連名で。新札を用意。
- 暦(六曜)は気にするかどうかを両家で事前合意。神社の空き状況も早めに確認。
準備スケジュールとコツ
- 6〜12カ月前:神社・日程・人数の仮決定、会食会場の候補出し
- 3〜4カ月前:衣装試着、美容・写真・送迎を手配、雨天時動線を確認
- 1〜2カ月前:誓詞の確認、参列者リスト確定、着付け枠と親族衣装を予約
- 直前:初穂料の準備、指輪・小物チェック、当日連絡表を共有
持ち物例:初穂料、指輪、誓詞控え、足袋予備、ハンカチ、季節の対策(扇子・カイロ)、雨具・日傘。連絡窓口を一人に絞ると当日の進行がスムーズです。
よくある疑問Q&A(簡潔版)
- 友人は本殿に入れる?:神社ごとに規定あり。親族のみ/人数制限ありなど事前確認を。
- 挙式のみでもOK?:可能な神社が多い。後日フォトや会食を別日にする選択も。
- バリアフリー対応は?:スロープやエレベーターの有無、椅子席対応を事前に確認。
- 雨天時の参進は?:回廊移動や屋内進行に切替えることが多い。和傘の貸出有無も確認。
神前式は「段取りが見えれば不安が減る」挙式です。費用の内訳と優先順位を決め、神社のルールに沿って準備すれば、品格ある一日に。まずは気になる神社に見学予約を入れ、撮影・衣装・会食の動線をひとつの計画表にまとめるところから始めましょう。























