日常の「これって違法?合法?」は、正解がはっきりしないまま流されがちです。実は、多くの場面で「相手の権利」「場所やサービスのルール」「社会的なマナー」という三つの視点をそろえると判断しやすくなります。本稿では、よくある疑問を取り上げつつ、線引きの考え方と安全な回避策を早わかりでまとめます。
撮影とSNS投稿:人が写ったらどうなる?
街中や店内の写真・動画に他人がはっきり写ると、肖像権やプライバシーの問題が生じます。公共の場所でも、個人が特定できる形での無断公開はトラブルのもと。店やイベント会場が「撮影禁止」なら、施設側のルールが優先です。
- 対策:必要なら同意を得る、顔にモザイク、撮影禁止の表示を確認
- 子どもや制服・名札など、特定されやすい情報は特に配慮
記事スクショの共有と「引用」の条件
ニュース記事やブログのスクショをSNSで丸ごと載せるのは、著作権上NGになりやすい行為です。認められる「引用」は条件があり、主なポイントは次のとおりです。
- 自分の意見や紹介が主、引用は従(主従関係)
- 必要最小限の範囲にとどめ、改変しない
- 出典(タイトル・URL・著者など)を明記
迷うときは、スクショではなく公式サイトへのリンクに切り替えるのが安全です。
通話・会議の録音はアリ?
自分が参加する通話や会議を記録すること自体は、違法とされないケースが多いです。ただし、録音データの扱いには注意が必要。無断で第三者へ配布したり、社内規程に反して流出させたりすると、秘密情報の管理や信用の問題に発展します。
- 対策:可能なら事前に告知、目的外利用をしない、保管先を限定
- 個人情報が含まれる場合は取り扱いを厳格に
フリマ・転売の境界線
手持ち品の売却は基本的に認められますが、営利目的での反復継続的な仕入れ・販売は、法や許可が関わることがあります。中古品を仕入れて売るなら「古物営業許可」が必要。チケットや医薬品、酒類などは別途の規制に注意が必要です。
- 対策:仕入れ前に対象物の規制を確認、個人の不用品処分にとどめる
自転車・電動キックボードの「やりがち」
自転車は「車両」。スマホ操作、無灯火、信号無視、酒気帯びは罰則の対象です。イヤホンは地域の条例で扱いが分かれますが、周囲の音が聞こえない状態は危険・違反になり得ます。電動キックボードは区分や年齢、走行場所、速度などの細かなルールがあるため、車体の表示と地域ルールを必ず確認しましょう。
会社データの持ち出しと私的利用
会社PCの私的利用やデータのクラウド保存は、就業規則や情報セキュリティ規程に抵触しやすい領域です。たとえ利便性のためでも、顧客情報や機密資料を私物端末にコピーするのは避けましょう。
- 対策:社内の許可ルートを使う、共有は公式ツールに限定、ログを残す
拾い物・忘れ物の取り扱い
他人の落とし物を持ち帰るのは、占有離脱物の横領に当たるおそれがあります。駅や店舗で見つけたら、管理者へ届けるのが原則。キャッシュレス時代でも、カードや端末は速やかに届け出てください。
日常トラブルを避ける三つのコツ
- 同意・出典・記録を基本に:人は同意、情報は出典、行動は記録を残す
- NGサインに敏感に:撮影禁止、転載不可、社内規程は「止まれ」の合図
- 商用か非商用か:お金や広告が絡むとルールは厳格に
法ルールは「場所」「対象」「目的」で結論が変わることが多く、万能の答えはありません。迷ったら、一次情報(公式サイト・規約・掲示)にあたる、記録を残す、そして相手に一言確認する。この三つだけでも、ほとんどのトラブルは回避できます。


 
          
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
     




















