「毎月の支払いが一定でラクそう」と始めたリボ払いが、気づけば残高が減らず息苦しい——そんな声は少なくありません。課題は、手数料(実質年率)の高さと、少額返済が元本をなかなか減らさない仕組みにあります。本稿では、リボの「なぜ減らないのか」をやさしく整理し、今日からできる抜け出し方と再発防止策を具体的に提案します。
リボ払いの仕組みと金利の罠
リボ払いは「毎月の支払額を一定にする」代わりに、残高に対して高めの手数料(年10〜18%程度が一般的)がかかります。手数料が先に差し引かれるため、支払額が少ないと元本が思った以上に減りません。例えば、残高20万円・年15%の手数料・毎月1万円返済の場合、月の手数料は約2,500円。元本に充てられるのは約7,500円にとどまり、返済は長期化、累計の手数料も膨らみます。さらに新規利用を続けると、残高が横ばいどころか増え続けることもあります。ここに「罠」があります。
まずやるべき現状把握
一気に返す前に、数字を「見える化」しましょう。
- 利用明細で「残高」「実質年率」「毎月の支払コース」「手数料相当額」を確認
- 「自動リボ」設定や複数カードのリボ有無を洗い出し
- 新規利用を止めたと仮定した場合の完済見込み月数を、カード会社の試算ツール等でチェック
この時点で、新規利用は必ず一時停止。設定画面で「自動リボ」をオフにするか、サポートに停止依頼を。
返済地獄から抜け出す実践ステップ
- 1. 新規利用を止める・一括返済の可否を確認
新規利用を止めない限り、雪だるま式に増えます。ボーナスや貯蓄で一部または全額を繰上げできるか、手数料や方法を問い合わせましょう。 - 2. 毎月の支払額を増額・臨時返済を入れる
返済額を3,000〜1万円でも上げると、元本の減り方が大きく改善します。臨時返済が使える場合は、手数料が発生する前倒しで小刻みに。 - 3. 返済の順番を決める
残高や金利が複数あるなら、より高金利から優先する「アバランチ方式」が総手数料を抑えやすい。モチベ重視なら、少額残高から片付ける「スノーボール方式」も有効です。 - 4. 手数料や条件の交渉
長期の良好な取引履歴があれば、支払コースの増額手数料無料化や、利率の見直しに応じてもらえる場合があります。ダメ元でも相談を。 - 5. 借り換えの活用は「総コスト」で判断
低金利のカードローンや銀行の借換えは、金利が下がれば有力。ただし、事務手数料・期間・返済計画を含めた総支払額が本当に減るか試算し、乗り換え後は必ずカードの利用を封印します。 - 6. 家計の固定費を削る
通信、サブスク、保険、光熱費の見直しは即効性があります。浮いた分を自動で返済口座へ移す「先取り返済」を仕組み化しましょう。
ありがちな落とし穴と予防策
- 自動リボの初期設定に注意:ポイント目当てで有効化したまま忘れがち。カード発行時やキャンペーン後は必ず設定を点検。
- 分割払いとの混同:分割は回数が決まり、完済までの見通しが立ちやすい一方、リボは残高方式。性質が異なります。
- 「最低額だけ払う」習慣:最低額は延命措置。原則として毎月の返済額は可能な範囲で増額し続けるのが基本です。
それでも厳しいときの相談先
返済の遅れが出そうなら、放置は厳禁。カード会社に早めに連絡すると、分割や返済計画の再設定に応じてもらえることがあります。第三者に中立的な助言を求めるなら、自治体の消費生活センター、法テラス、クレジットカウンセリングの専門機関(公益法人等)へ。家計簿の作り方や債務整理を含む選択肢を一緒に検討できます。
まとめ:仕組みを知り、今日の一歩から
リボ払いの痛点は「高めの手数料」と「元本が減りにくい設計」。新規利用停止、返済額の増額、優先順位づけ、必要なら賢い借り換え——この順番で手を打てば、出口は見えてきます。大事なのは、完璧よりも「今日の一歩」。まずは設定の見直しと増額返済から始めましょう。























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