課題の整理と提案:送り付け商法は「捨てていい」のか、迷いを解消しよう
ネット通販が当たり前になった今、「注文していない商品が突然届いた。開けてよい?払う必要ある?捨てても大丈夫?」という悩みが増えています。実は、特定商取引法の改正により、いわゆる送り付け商法への対処ルールは大きく変わりました。本稿では、一般の方にもわかりやすく「いまの結論」と「実務的な対処法」、そして「改正のポイント」を整理します。
結論:未承諾で届いた品は、原則「すぐに処分・利用してOK」
特定商取引法の改正により、消費者が注文や承諾をしていないのに一方的に送られてきた商品は、受け取ってしまっても、支払い義務はありません。さらに、保存義務もなく、原則として届いた時点で処分・使用して構いません。請求書や「お支払いください」といった連絡が来ても、法的な支払義務は発生しません。
ただし例外もあります。自分や家族が本当に注文していた場合や、単なる誤配(宛名や住所が明らかに違う)などは、送り付け商法とは扱いが異なります。誤配と分かる場合は、配送業者に連絡して回収してもらうのが無難です。
すぐに使える実務的な対処法
- 受け取る前に気づいたら:不在票や配達員に「受取拒否」と伝える。開封前がベターです。
- 受け取ってしまったら:箱やラベル、同封物を写真で記録。支払いはしない。保存義務はないので、処分・利用は任意で可。
- 発送元への連絡は慎重に:送り主の電話やURLに安易に連絡すると、個人情報を渡すことになります。連絡が必要なら、公式サイトや配送業者を経由するなど出所を確認しましょう。
- 家族・同居人に確認:誰かが注文していないか、まずは内輪で確認。
- 請求や督促が来たら:支払わず、記録(封筒・メール・SMS)を保全。しつこい場合は消費者ホットライン(188)へ相談。
- 個人情報の保護:送り状の氏名・住所が漏れている可能性を意識。SNSにラベル写真を上げない。
改正特定商取引法のポイント(やさしく要約)
- 未承諾の送付はNG:注文や承諾のない送付に対して、消費者は受領・保管・返還の義務がありません。届いた時点で処分・利用してOK。
- 請求の封じ込み:事業者は代金の請求や返還要求を正当化できません。威迫的な督促も禁止されます。
- 定期購入の見えにくさ対策:通販の「初回◯円」などについて、回数縛り、支払総額、解約条件、申込内容を最終確認画面でわかりやすく表示する義務が強化されました。
- 誤認広告の抑止:単回購入と誤認させる表示、解約しづらい導線づくりなど、消費者を惑わせる設計は違法リスクが高まっています。
これらの改正により、「頼んでないなら払わない・返さない・保存しなくていい」という原則が明確になりました。同時に、定期購入の罠にも歯止めがかかっています。
よくある誤解と注意点
- 「14日間は保管が必要」→過去の考え方です。今は原則、保管義務なし。
- 「開けたら返す義務が出る」→未承諾の送付であれば、開封後でも返還・支払義務は生じません。
- 「代引きは仕方ない」→受取前に気づけば受取拒否を。受領後に支払った場合は、配送会社ではなく販売者との関係になります。記録を持って早めに相談を。
- 「ポスト投函なら払わないといけない」→投函でも未承諾なら同じ扱い。支払不要です。
- 「宛名が別人でも開けてよい」→誤配の可能性が高く、トラブルのもと。配達業者に連絡し回収してもらいましょう。
まとめ:迷ったら「払わない・連絡しない・記録する」
送り付け商法は、改正特定商取引法によって対処がシンプルになりました。注文していない商品は、原則として処分・利用して構いません。請求が来ても支払う必要はなく、むしろ相手に連絡すると個人情報を渡すリスクがあります。迷ったら「払わない・連絡しない・記録する」を基本に、しつこいときは消費者ホットライン(188)へ。定期購入の表示も厳格化されているので、最終確認画面で回数・総額・解約条件を必ずチェックする習慣をつけておきましょう。






















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