ガソリン車・EV車・ハイブリッド車の世界シェア推移:2019年から2025年までの変化
世界の自動車市場では、ガソリン車(内燃機関車)の比率が急速に低下し、EV(電気自動車)やハイブリッド車などの「電動車」が存在感を増しています。本稿では、公開統計(IEA、JATO 等)をもとに、「ガソリン車(内燃機関)」「EV車(バッテリーEV+プラグインハイブリッド)」「ハイブリッド車(非プラグイン)」に大きく整理し、2019年から2025年までのシェア推移を分かりやすくまとめました。
なお、年次ごとに異なる統計ソースを整合させるため、一部は代表値からの推計・丸めを行っています。そのため、厳密な公式統計というより「世界全体の大まかなトレンド把握」のための参考値としてご覧ください。

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表:世界販売におけるパワートレイン別シェア推移(推計・%)
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| 年度 | ガソリン車(ICE) | ハイブリッド車(HEV) | EV車(BEV+PHEV) | コメント(世界全体の傾向) |
| 2010年 |
約 99%
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ごく僅少(1%未満)
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ほぼ 0%
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ハイブリッドは主に日本・一部北米のみ、EVは実証レベル。ICEがほぼ独占。※IEA等の長期統計からの推計。 |
| 2015年 |
約 96%
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約 3%
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約 1%
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トヨタなどのHVが日本・欧州で拡大し始めるが、EVはまだ黎明期。全体としてはガソリン車が圧倒的。※IEA・各種市場レポートからの推計。 |
| 2019年 |
91.2%
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5.9%
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2.6%(BEV 1.9%+PHEV 0.7%)
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JATOデータによると、電動車(HV+PHEV+BEV)は合計約9%。この時点でもICEが9割超を占めていた。 (visualcapitalist.com) |
| 2020年 |
約 88%
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約 7%
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約 5%
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IEAや各国統計から見ると、コロナ禍でもEV販売は伸長。欧州・中国での規制強化によりEVシェアが2倍近くに増加。推計値。 (iea.org) |
| 2021年 |
約 83%
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約 8%
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約 9%
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IEA統計では、EV(BEV+PHEV)の世界シェアが約8~9%クラスに上昇。非プラグインHVも徐々に拡大。推計値。 (iea.org) |
| 2022年 |
約 78%
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約 8%
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約 14%
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IEA Global EV Outlook などによると、EVが世界新車販売の約14%を占めるまで拡大。ICEは8割を切り始める。 (iea.org) |
| 2023年 |
約 72%
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約 10%
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約 18%
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IEAの分析ではEV販売が約1,400万台、シェア約18%。一方、BEV単体でも「新車の約2割弱」が電気のみ走行する車に。 (evinfocus.com) |
| 2024年(推計) |
約 69%
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約 11%
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約 20%
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IEA見通しでは2024年にEV販売が約1,700万台、シェア2割超とされる。HVも伸び、電動車全体では約3割超と推計。 (iea.org) |
| 2025年(Q1実績ベースの推計) |
56.7%
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21.1%
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21.8%(BEV 15.7%+PHEV 6.1%)
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JATOデータによると、2025年Q1時点で内燃機関車は約57%まで低下。ハイブリッド21%、EV(BEV+PHEV)22%と、電動車が全体の約4割超に達している。 (visualcapitalist.com) |
| ※2010~2015年は複数統計をもとにした参考推計値、2019年・2025年(Q1)はJATOデータ、2020~2024年は主にIEA「Global EV Outlook」および関連レポートに基づき丸めた推計値です。端数処理により合計が100%とならない場合があります。 | ||||
出典元情報
・International Energy Agency(IEA)「Global EV Outlook 2024 / 2025」電動車販売シェアおよび将来見通しに関するデータ。(iea.org)
・JATO・Visual Capitalist「Charted: Global EV Adoption (2019 vs. 2025)」2019年および2025年Q1の燃焼エンジン/ハイブリッド/BEV/PHEVシェア。(visualcapitalist.com)
・IEA関連レポートおよび各種市場分析レポートによる長期推移データ(2010年代前半のハイブリッド・EV普及率はこれらをもとにした推計)。(iea.org)
総じて、ICE比率は2019年の約9割から2025年Q1に約57%まで低下し、EVは約3%未満から約22%へ、HEVも約6%から21%前後まで拡大しました。拡大を牽引したのは主に中国・欧州の規制・インセンティブとモデル投入で、北米は州・メーカー差により伸びが段階的でした。2024~2025年にかけてはEV成長の地域差・価格調整がみられる一方、HEVがコスト・充電利便の面で補完的に拡大しています。なお、2010~2015年は参考推計、2025年はQ1ベースの暫定感が強く、各年の合算や定義差(HEV範囲、軽商用含む/含まない)により数値は前後します。





















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