「飲む日焼け止めって、本当に効くの？」「塗る日焼け止めの代わりになる？」という声をよく耳にします。
近年はサプリメントタイプの“飲む日焼け止め”が増え、売り場でも目立つようになりましたが、正しい知識がないまま「これさえ飲めば大丈夫」と思ってしまうと、期待外れだったり、うっかり日焼けにつながることもあります。
この記事では、飲む日焼け止めに使われる主な成分や、実際に期待できる効果の「上限」、そして塗る日焼け止めやUVケアとの正しい併用法を、なるべくわかりやすく整理していきます。
飲む日焼け止めとは？「防御力100％」ではない
飲む日焼け止めとは、サプリメントとして口から摂ることで、紫外線ダメージをサポートしようとするものです。
一般的な「塗る日焼け止め」と違い、体の内側から紫外線の影響を和らげることを狙っています。
ただし、ポイントはここです。
- 塗る日焼け止めのように、紫外線を完全にブロックするわけではない
- あくまで「日焼けしにくい状態」「ダメージを受けにくい状態」に近づけるサポート役
- 商品ごとに成分も量も違うため、効果の実感には個人差が大きい
イメージとしては「雨そのものを止めるレインコート」ではなく、「濡れても冷えにくくするインナー」のような存在、と考えると近いかもしれません。
代表的な成分と、それぞれに期待される働き
飲む日焼け止めと呼ばれるサプリに、よく使われている成分をざっくり整理してみましょう。
ポリポディウム・ロイコトモス（シダ植物由来エキス）
中南米のシダ植物から抽出された成分で、海外の飲む日焼け止めにもよく配合されています。主に期待されるのは、
- 紫外線で発生する活性酸素の対策をサポート
- 赤くなりにくくする、ダメージからの回復を助ける、といった“守り”の補助
ただし「まったく焼けない」「日焼け止めを塗らなくていい」といったレベルではなく、「焼け方がマイルドになるかも」という程度だと考えると現実的です。
ビタミンC・ビタミンEなどの抗酸化成分
ビタミンCやEは、美容サプリの定番ですが、紫外線ダメージに対してもサポートが期待されます。
- 紫外線で増えた活性酸素のダメージを和らげる働きがあるとされる
- 肌のハリや透明感づくりに関わるコラーゲン生成にも間接的に関与
すでにマルチビタミンなどを飲んでいる人は、「飲む日焼け止め」に入っているビタミン類と重複しやすいので、合計量が過剰にならないよう注意しながら選びたいところです。
アスタキサンチン・ルテインなどのカロテノイド系
サーモンやエビの赤い色素として知られるアスタキサンチン、目のサプリでおなじみのルテインなども、紫外線対策サプリに用いられています。
- 光ストレスから細胞を守るサポート成分として注目
- 肌だけでなく、目の疲れ対策をうたう商品もある
こちらもあくまで「ダメージ軽減のサポート」であり、「飲めば日焼けしない魔法の成分」ではありません。
効果の「上限」を冷静に理解しよう
飲む日焼け止めでよく誤解されるのが、「これさえ飲めばSPF50以上の効果！」といったイメージです。しかし、現時点の知見から考えると、次のように理解しておくと安全です。
- 塗る日焼け止めの“代わり”にはならない
- 日焼けの「量」を1/2や1/3に減らせるかどうか、というイメージに近い
- 屋外レジャーで長時間日差しを浴びる場合、単体では防御力が足りない
つまり、あくまでも「＋αの補強」レベルが現実的な上限です。UVケアのメインは今まで通り、
- 塗る日焼け止め（SPF・PAのある製品）
- 帽子、日傘、サングラス、長袖などの物理的な遮光
と考え、飲む日焼け止めは「それらにプラスして、内側からの守りを足すアイテム」と位置づけるのが賢明です。
塗る日焼け止めとの正しい併用法
飲む日焼け止めを上手に使うには、「組み合わせ方」が大切です。具体的には、次のような併用がおすすめです。
1. 毎日の“うっかり日焼け”対策にプラスする
通勤・通学、買い物など、短時間の外出でも、積み重なるとシミやくすみの原因になります。
- 顔や首には、SPF20〜30程度の日焼け止めをしっかり塗る
- 飲む日焼け止めを毎日または日差しが強い季節だけプラスする
こうすることで、「塗る」「飲む」「物理的な遮光（日傘や帽子）」の三本柱を、無理なく続けやすくなります。
2. レジャーの日は“重ねがけ”を意識する
海・プール・スポーツ観戦・キャンプなど、長時間屋外にいる日は、紫外線量が一気に増えます。
- 高めのSPF（30〜50）の日焼け止めを、こまめに塗り直す
- 出かける30分〜1時間前を目安に飲む日焼け止めを飲む（※商品ごとの目安時間を確認）
- 帽子・サングラス・ラッシュガードなどで物理的なガードも追加
このときも、飲む日焼け止めは「最後のひと押し」をしてくれる存在、と考えると過度な期待をしすぎずにすみます。
選ぶとき・飲むときに気をつけたいポイント
飲む日焼け止めは、医薬品ではなくサプリメントとして販売されているものが多く、「体にやさしいイメージ」が先行しがちです。とはいえ、次のような点には注意しておきましょう。
- 成分表示を確認し、すでに飲んでいるサプリとの重複をチェック
- 用法・用量を守り、「たくさん飲めばもっと効く」と考えない
- 体質に合わないと感じたら、無理に続けない
- 妊娠中・授乳中・持病のある人は、自己判断で始めず、必ず医療機関や薬剤師に相談する
あくまでも「紫外線対策のサポート役」であり、「美容目的のサプリ」であることを忘れず、安心して続けられる範囲で取り入れていきましょう。
まとめ：飲む日焼け止めは“頼れる助っ人”、主役はあなたの習慣
飲む日焼け止めは、
- 紫外線ダメージを内側からサポートするサプリメント
- 完全に日焼けを防ぐのではなく、「焼けにくい・ダメージを受けにくい」状態を目指すもの
- 塗る日焼け止めや帽子、日傘などと組み合わせてこそ力を発揮する
といった立ち位置のアイテムです。
「これさえ飲めば大丈夫」と思うのではなく、「少しでもダメージを減らしたい」という現実的な期待のもとで、あなたのライフスタイルに合う製品と飲み方を選ぶことが大切です。
毎日のちょっとした意識と組み合わせることで、飲む日焼け止めは心強い味方になり得ます。上手に使いこなして、未来の自分の肌を守っていきましょう。
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