「SMSってなんで70文字しか送れないの？」「絵文字を入れたら、さらに文字数が減るのはなぜ？」。ふだん当たり前のように使っているSMSですが、その裏側にはちょっと不思議で、でも知っておくと便利な“文字数ルール”があります。本稿では、SMSの70文字制限や、絵文字で文字数が減ってしまう理由を、なるべく専門用語を使わずにわかりやすく整理していきます。
SMSはなぜ「70文字」なのか？
日本で一般的に使われているSMSは、多くの場合「全角70文字」が上限です。これには、もともとSMSが「電話会社同士で短いメッセージをやりとりするための仕組み」として生まれた、という歴史的な背景があります。
SMSは、電話回線の「おまけ」のような形で設計され、音声通話の邪魔にならない程度の小さなデータ量におさめる必要がありました。その結果、「一通のSMSはこんなサイズまで」という上限が決められ、その中に収まる文字数として導かれたのが「70文字前後」というイメージです。
もともと英数字だけなら160文字程度送れる仕様でしたが、日本語は英数字よりも情報量（データ量）が多くなりやすいため、「日本語（全角文字）なら70文字ぐらいまでだね」という運用になっていきました。私たちが日常的に目にしている70文字制限は、この歴史と仕組みがそのまま残っている形です。
「全角」「半角」で文字数が変わるカラクリ
SMSの文字数制限でややこしく感じるのが、「全角」と「半角」で扱いが変わる点です。ざっくり言うと、
- 英数字や一部の記号（半角）は、1文字あたりのデータ量が少ない
- 日本語のひらがな・漢字・カタカナ（全角）は、1文字あたりのデータ量が多い
という違いがあります。スマホの画面では「同じ1文字」に見えても、通信の世界では必要な「情報の大きさ」が違うイメージです。
そのため、
- 英数字だけのSMS：最大160文字前後送れることが多い
- 日本語を含むSMS：全角70文字前後までになることが多い
というように、文字の種類によって上限が変わります。これは機種やキャリア、アプリによって多少の違いがありますが、「日本語は情報量が多いので、同じメッセージ枠に入る文字数が少なくなる」と理解しておくとイメージしやすいでしょう。
絵文字を入れると、なぜ文字数が減るのか
「本文はそんなに長くないのに、絵文字を数個入れただけで『2通分』になってしまった」という経験はないでしょうか。これは、絵文字が特別に「重たい文字」として扱われることが多いからです。
絵文字は、見た目は1文字でも、通信の世界では「複雑な情報」を持った文字として扱われます。そのため、
- 普通の文字よりも多くのデータ量を使う
- 場合によっては、メッセージ全体のルールが「絵文字あり用」の厳しめなルールに切り替わる
といったことが起こります。
具体的には、絵文字を1つ入れた瞬間に、メッセージ全体が「より重たい形式」として扱われ、結果として「70文字 → だいたい半分～数十文字しか入らない」といった状況になることがあります。キャリアやアプリによって細かいルールは異なりますが、「絵文字が混ざると、一気に送れる文字数が減ることがある」というのは多くのSMSで共通する現象です。
どうやって文字数オーバーや料金増加を防ぐ？
文字数制限をうっかり超えると、メッセージが自動的に「複数通」に分割され、その分料金がかかることがあります。ビジネスで大量にSMS配信する場合はもちろん、個人でも回数が重なると意外なコストになるかもしれません。ここでは、文字数オーバーを防ぐちょっとした工夫を紹介します。
- 絵文字は最小限にする
絵文字を多用すると、急に送れる文字数が減ることがあります。とくに、長文メッセージに対しては「絵文字は文末に1〜2個」など、ルールを決めておくと安心です。 - URLや長い英数字は短縮サービスを活用
長いURLはそれだけで文字数を圧迫します。URL短縮サービスなどを使うと、見た目もすっきりしつつ文字数も節約できます。 - 改行や装飾をシンプルに
改行や特殊な記号を多用すると、端末やキャリアによって想定外の文字数カウントになることがあります。なるべくシンプルな文章構成を心がけると安全です。 - 長文はSMSにこだわらない
説明が長くなりそうな場合は、SMSでは要点だけを送り、「詳しくはメールで」「詳しくはこのURLから」と使い分けるのも有効です。
SMSの文字数ルールを味方につける
SMSの70文字制限や、絵文字で文字数が減る理由は、すべて「限られたデータ量でメッセージをやりとりする」という仕組みによるものです。少し仕組みを知っておくだけで、
- 大事な連絡が途中で切れてしまうのを防ぐ
- 意図せず「2通分」「3通分」になってしまうのを避ける
- 必要な情報だけをギュッと詰め込んだ、読みやすいメッセージを作る
といった工夫がしやすくなります。
今後は、RCSや各種メッセージアプリなど、より自由度の高い通信手段も広がっていきますが、SMSは依然として「電話番号だけで届く」「ほとんどの機種で受信できる」という強みを持っています。だからこそ、その制限や特徴を理解し、うまく付き合っていくことが大切です。
次にSMSを送るとき、文字数カウンターや絵文字の数を少しだけ意識してみてください。ちょっとした工夫で、よりスマートでムダのないメッセージのやりとりができるはずです。
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