一人当たりの医療費推移（日本・国際比較）データまとめ
一人ひとりがどれくらい医療にお金をかけているのかを示す「一人当たり医療費」は、高齢化や医療技術の進歩、経済成長などを映し出す重要な指標です。ここでは、国際機関（OECD・WHO 等）の公開データをもとに、日本の一人当たり医療費がどのように増えてきたのかを、できるだけシンプルに整理しました。金額は、各国間で物価水準の違いをならすため、主に「購買力平価（PPP）調整済みの国際ドル・米ドルベース」の値を用いています。
| 項目 | データ | 備考 |
| 1. 日本の一人当たり医療費（PPPベース）の推移（概略） 単位：国際ドル／人（PPP） | ||
| 2000年 |
約 1,900ドル
|
WHO「Current health expenditure per capita, PPP」では 1,909ドル。以後右肩上がりで増加。(indexmundi.com) |
| 2005年 |
約 2,450ドル
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2000年比で約1.3倍。高齢化の進行と医療技術の高度化が背景。(indexmundi.com) |
| 2010年 |
約 3,200ドル
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10年間で約1.7倍。GDP比でも医療費のウェイトが上昇。(indexmundi.com) |
| 2015年 |
約 4,370ドル
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2000年比で約2.3倍。OECD 諸国の中でも比較的高い水準。(indexmundi.com) |
| 2019年 |
約 4,590ドル
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WHOデータ最新年（2019年）で 4,587ドル。以降も OECD 推計ではおおむね横ばい～微増。(indexmundi.com) |
| 2020年 |
約 4,666ドル
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OECD 推計で約4,666ドル。コロナ対策で一時的に増加。(healthsystemsfacts.org) |
| 2021年 |
4,600〜4,800ドル程度
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コロナ対応で各国とも支出がピークに近づいた時期。日本も一時的に増加。(oecd.org) |
| 2022年 |
4,500〜4,700ドル程度
|
OECD 全体では実質ベースで一部縮小。日本も物価や為替の影響を受けつつ大きな伸びは見られず。(oecd.org) |
| 2024年（推計） |
4,600〜4,800ドル程度
|
2019〜2024年の日本は「実質ゼロ成長」と評価、名目では緩やかに増加。(oecd.org) |
| 2. 日本とOECD平均の一人当たり医療費の比較（最近年ベース） 単位：米ドル／人（PPP、最新推計） | ||
| 日本（2020年） |
約 4,666ドル
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高齢化が進むなか、OECD 平均よりやや低いが、アジアでは最上位クラス。(healthsystemsfacts.org) |
| 日本（2024年・実質） | 2019年とほぼ同水準 | 「2019〜2024年の実質成長率ゼロ程度」と評価。(oecd.org) |
| OECD平均（2022年） |
約 5,000ドル
|
日本はこれよりやや低い水準。(oecd.org) |
| OECD平均（2024年） |
約 6,000ドル
|
コロナ期の一時的な増加後も、全体としては増加傾向が継続。(oecd.org) |
| アジア太平洋高所得国平均（2021年） | — | 日本を含み、医療費のGDP比は約8.1％前後。日本は10.8％で地域内でも高い水準。(oecd.org) |
| 3. 日本の政府負担分・民間負担分の一人当たり医療費（参考、2019年・PPP） | ||
| 総医療費（Current health expenditure） |
約 4,587ドル
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日本の一人当たり医療費総額（2019年）。(indexmundi.com) |
| うち 公的（政府・公的保険） |
約 3,847ドル
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国・自治体・公的医療保険などが負担する部分。(indexmundi.com) |
| うち 私的（自己負担・民間保険等） |
約 741ドル
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家計の自己負担や民間保険等。総額の約15〜20％程度。(indexmundi.com) |
| 備考 | 公的・私的の合計は総医療費（約4,600ドル前後）とほぼ一致。日本は「公的負担が約3/4、私的負担が約1/4前後」という構造が続く。(oecd.org) | |
【出典元情報】
・世界保健機関（WHO） Global Health Expenditure Database：Current health expenditure per capita, PPP（日本 2000–2019 など）。indexmundi.com
・OECD “Health at a Glance” シリーズ：Health expenditure per capita（各国比較、2022・2024年推計など）。oecd.org／oecd.org
・Health at a Glance: Asia/Pacific 2024：医療費/GDP 比比較（日本は 2021年で 10.8％）。oecd.org
・世界銀行 WDI / IndexMundi 再掲データ：政府・民間別の一人当たり医療費（PPP）。indexmundi.com
・World Health Systems Facts – Japan: Health System Expenditures（2020年の日本の一人当たり医療費 等）。healthsystemsfacts.org
【ポイント解説】
・2000年から2019年にかけて、日本の一人当たり医療費（PPP）は約2.4倍へ。高齢化や医療高度化が主因。
・新型コロナ対応で2020–2021年は一時的に押し上げ。2022年以降は実質ベースで伸びが鈍化し、全体として横ばい〜微増に。
・対OECD平均ではやや低水準だが、公的負担の比率が高く、家計負担の平準化に寄与。中長期的には医療の効率化・予防投資の強化が鍵。
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