「ブライズメイドは、なぜ同じドレスを着るのだろう?」
結婚式に招かれるたびに、なんとなく気になっている人も多いのではないでしょうか。最近はカラフルでおしゃれなブライズメイド姿がSNSでも話題ですが、そのルーツには少し不思議で、ちょっと怖いような「悪霊を惑わす」という風習が隠れていると言われています。
この記事では、「ブライズメイドが同じ衣装なのは悪霊を惑わすため」という説を入り口に、結婚式にまつわるレアな雑学として、歴史的な背景や現代のスタイルへの受け継がれ方、そして日本の結婚式での取り入れ方のヒントまで、やさしい言葉で整理してご紹介します。
ブライズメイドの衣装と「悪霊」の意外な関係
ブライズメイドとは、新婦のそばでサポートをする女性の友人・親族のことです。欧米の結婚式ではおなじみの存在で、同じデザイン、同じ色のドレスを着て並ぶ姿は、式の華やかさをぐっと高めてくれます。
しかし、その「おそろいスタイル」は、もともとおしゃれ目的だけで生まれたわけではない、と言われています。
古いヨーロッパの伝承では、「結婚式は幸せな節目であると同時に、悪霊や不運を呼び寄せやすい場」だと考えられていました。
そこで、悪霊が新婦だけを狙えないように、新婦とよく似た姿の女性たちを周りに立たせて、誰が花嫁なのか分かりにくくする──それが「ブライズメイドが同じ衣装を着る」という風習の原点のひとつとされているのです。
この考え方は、地域や時代によって細かな違いはありますが、共通しているのは「花嫁を守るための工夫」というポイントです。現代の結婚式では「悪霊」という言葉はあまり使われませんが、「大切な人を守ろうとする気持ち」が、かたちを変えながら続いているとも言えます。
古いヨーロッパでの「花嫁を守る知恵」としてのブライズメイド
ブライズメイドの役割は、今よりもずっと「守り」が強い意味を持っていたと伝えられています。
たとえば、以下のようなイメージです。
- 悪霊や不運が花嫁一人に集中しないよう、よく似た装いで囲み、注意を散らす
- 人目を引く衣装を複数人が着ることで、「主役が誰か」をあえてあいまいにする
- 嫉妬や妬みを持つ人からの視線を分散させる、という人間的な意味合いも含まれていた
一部の説では、かつてはブライズメイドも花嫁と同じくらい華やかな装い、場合によっては白に近い色のドレスを着ることもあったと言われています。
今の感覚では「花嫁より目立ってはダメ」という意識が強いですが、当時は「目立つ人を増やして花嫁を守る」という発想があったのが面白いところです。
もちろん、これらの説のすべてが歴史的な事実として厳密に証明されているわけではありません。ただし、「結婚式は喜びと同時に、見えない不安から守ろうとする儀式でもあった」という視点から見ると、ブライズメイドの存在がぐっとリアルに感じられます。
おしゃれとしての「おそろい」へ──現代ブライズメイドの楽しみ方
時代が進むにつれて、「悪霊からの保護」という考え方は前面には出なくなり、ブライズメイドは次第に「おしゃれ」と「演出」の要素が強い存在になっていきました。
今の結婚式で、ブライズメイドの衣装が同じであることには、次のようなメリットがあります。
- 写真映えが良くなる:等間隔に並んだ同色ドレスは、それだけで映画のワンシーンのような雰囲気に。
- 統一感のある世界観が作れる:会場装花やブーケ、テーブルコーディネートと色を揃えることで、テーマ性のある結婚式になる。
- 「花嫁チーム」としての一体感が高まる:友人同士で同じ衣装を選ぶことで、仲間意識や思い出が強く残る。
近年は「全員まったく同じでなくてはいけない」という考え方から少し自由になり、
- 色は同じだけれど、ドレスの形はそれぞれに似合うものを選ぶ
- ドレスの色味を同系色でグラデーションにして、さりげない統一感を演出する
- ドレスは各自好きなものにして、ブーケやヘアアクセサリーだけおそろいにする
など、「ゆるいおそろい」を楽しむスタイルも増えています。
もともと「守る」ための工夫だったものが、今では「楽しむ」ための工夫に変化した、と見てみると、結婚式の文化の柔らかさが伝わってきます。
日本の結婚式でブライズメイド文化を取り入れるコツ
日本でも、海外ドラマやSNSの影響で、ブライズメイドを取り入れるカップルが増えています。ただ、「周りの年配ゲストにはなじみが薄い」「目立ちすぎないか心配」といった不安の声もあります。
そこで、日本の結婚式でも取り入れやすいポイントを、いくつかご紹介します。
- 役割を事前にきちんと説明する
「昔は花嫁を守るための役割があって、今はサポートと演出をお願いする存在なんだよ」と、家族やゲストに一言伝えておくと、理解されやすくなります。 - 衣装は「ドレスコード」くらいの軽さでもOK
完全なおそろいドレスでなくても、「ピンク系」「ネイビー系」など、色のトーンを揃えるだけでも十分に雰囲気が出ます。 - 日本らしいアレンジを加える
和装婚の場合でも、同じ色味の帯揚げや髪飾りをそろえたり、ブーケ代わりに小さな扇子を持ってもらったりと、さりげない「おそろいアイテム」でブライズメイド風の演出が可能です。
こうした工夫を通して、「悪霊から守る」という昔の意味は知らなくても、
「花嫁を大切に思う人たちが、心を合わせて寄り添う」という気持ちは、しっかりと伝わるはずです。
「悪霊を惑わす風習」が今に伝えるもの
ブライズメイドが同じ衣装を着る背景に、「悪霊を惑わして花嫁を守る」という昔の発想があったという説は、少し不思議で物語性のある雑学です。
もちろん、現代の結婚式で本気で悪霊を心配する人はほとんどいないでしょう。それでも、このエピソードは、次のようなメッセージとして受け取ることができます。
- 大切な人の人生の節目を、皆で守り、支えようとする気持ち
- 不安や見えないものに対して、知恵と工夫で向き合ってきた人間らしさ
- 古い風習が、かたちを変えながらも、現代のお祝い事に息づいている面白さ
もし、これから結婚式に参加する機会があったら、「あのブライズメイドの統一感には、昔は悪霊を惑わす意味もあったらしいよ」と、さりげない話のネタにしてみるのもおすすめです。
ただの「おしゃれ演出」が、ぐっと奥行きのあるものに感じられるかもしれません。























