軽EVとガソリン車、どちらがおトクなのか――「燃料代はEVが安そうだけど、本体価格が高い」「充電が不安」「バッテリー寿命は?」など、気になる点は多くあります。この記事では、コンパクトな軽自動車クラスを想定し、5年間使った場合の総コストを、実走条件をイメージしたデータを交えながら整理します。難しい専門用語はできるだけ避け、家計目線でチェックしていきます。
軽EVとガソリン軽、くらべる前にそろえる条件
まずは比較条件をそろします。ここでは、以下のような「普通の使い方」を想定します。
- 年間走行距離:1万km(通勤+日常の買い物が中心)
- 所有期間:5年間(5万km走行)
- 車両クラス:軽EVと軽ガソリン車(新車購入)
電気代・ガソリン代の目安は次のように置きます。
- 電気代:30円/kWh(自宅で主に普通充電)
- ガソリン単価:160円/L
あくまでモデルケースですが、多くのご家庭で大きくは外れない水準です。
実走データイメージ:軽EVとガソリン車の“リアル燃費”比較
カタログ値ではなく、実際の街乗りに近い条件を想定した「実走イメージ」を置いてみます。
- 軽EVの実電費:1kWhあたり約6km(エアコン使用ありの街乗り中心)
- 軽ガソリン車の実燃費:20km/L(カタログより2~3割悪化を想定)
年間1万km走ると、それぞれのエネルギー消費量は次のようになります。
- 軽EV:10,000km ÷ 6km/kWh ≒ 1,667kWh/年
- 軽ガソリン車:10,000km ÷ 20km/L = 500L/年
これを料金に直すと、
- 軽EV:1,667kWh × 30円 ≒ 50,000円/年
- 軽ガソリン車:500L × 160円 = 80,000円/年
エネルギー代だけをみると、軽EVは年間約3万円お得、5年で約15万円の差になります。
5年総コスト①:本体価格+補助金
次に、車両本体にかかる実質的な負担をざっくり比較します。ここではわかりやすく、以下のような価格帯を仮定します。
- 軽EV新車:車両本体200万円
- 軽ガソリン車新車:車両本体140万円
軽EVは国や自治体の補助金を前提とするケースが多く、国のクリーンエネルギー車補助金などを合計して「実質30万円の補助」が受けられるケースを例にします(地域や年度により大きく変わります)。
- 軽EV:200万円 − 補助金30万円 = 実質170万円
- 軽ガソリン車:補助金ほぼなしとして140万円
スタート時点では、軽EVのほうが約30万円高い設定になります。
5年総コスト②:税金・車検・メンテナンス
続いて、5年間の維持費をざっくり押さえておきます。
軽自動車税・重量税
- 自動車税(軽):EVもガソリンもほぼ同水準(年1万円弱)
- 重量税:EVはエコカー減税などで優遇されるケースが多い
5年間で見ると、税金面だけなら軽EVが数万円お得になる可能性があります。
メンテナンス費
軽EVはオイル交換が不要で、エンジンまわりの部品も少ないため、定期整備費は抑えやすい傾向があります。一方で、タイヤやブレーキ、ワイパーなど共通の消耗品はどちらも同じようにかかります。
- 軽EV:5年間で約10万〜12万円程度(車検2回含むイメージ)
- 軽ガソリン車:5年間で約13万〜15万円程度(オイル交換などを含む)
あくまで目安ですが、5年間で軽EVのほうが3万円前後安くなるイメージです。
5年総コスト③:バッテリー・充電設備の考え方
「EVはバッテリー交換が高い」というイメージがありますが、5年・5万km程度でいきなり交換が必要になることは多くありません。メーカー保証が8年・10万km前後に設定されているケースもあり、短期での交換リスクはあまり大きく見なくてもよいでしょう。
自宅に駐車スペースがあり、コンセント増設や200V充電設備をつける場合は、工事費が数万円〜十数万円かかることがあります。これは初期費用として加算されるため、
- 持ち家で長くEVに乗る予定なら、工事費を慣らすと1年あたりの負担は小さくなる
- 賃貸や短期所有の場合は、急速充電器や職場充電を前提にする必要がある
といった点を考慮する必要があります。
5年間トータルでいくら違う?ざっくり試算
ここまでの前提をもとに、5年間の総コストをざっくりイメージしてみます(充電設備工事費は含めないシンプルなケース)。
軽EVの5年総コスト(モデルケース)
- 車両本体(補助金後):170万円
- 電気代:5万円/年 × 5年 = 25万円
- 税金・メンテナンス等:仮に5年で20万円と想定
合計:170万 + 25万 + 20万 = 約215万円
軽ガソリン車の5年総コスト(モデルケース)
- 車両本体:140万円
- ガソリン代:8万円/年 × 5年 = 40万円
- 税金・メンテナンス等:仮に5年で25万円と想定
合計:140万 + 40万 + 25万 = 約205万円
このモデルケースでは、5年間の総コストは軽EVが約215万円、軽ガソリン車が約205万円と、トータルではまだガソリン車が約10万円程度有利という結果になります。ただし、
- ガソリン価格がさらに上がる
- 電気代が深夜割引などで安く使える
- 自治体の補助金が手厚い
といった条件が重なると、5年でほぼトントン、あるいは軽EVが逆転する可能性もあります。
軽EVが向いている人・ガソリン車が向いている人
軽EVが向いているケース
- 自宅に駐車スペースがあり、気軽に充電できる
- 通勤や買い物など、1日の走行距離が50〜80km程度に収まる
- 静かでスムーズな走りが好みで、環境負荷も気になる
日常の足として割り切って使うなら、燃料代の安さと乗り味の良さを活かしやすい選択です。
ガソリン軽が向いているケース
- 長距離ドライブや急な遠出が多い
- 自宅に充電設備がなく、近くに充電スポットも少ない
- 初期費用をできるだけ抑えたい
インフラを気にせず、どこでもすぐ給油できる安心感は、いまの日本ではまだ大きなメリットです。
5年総コストは「使い方」で逆転する
軽EVとガソリン車の5年総コストは、「燃料代だけ見ればEV有利」「車両価格だけならガソリン有利」という関係で、差は10万〜数十万円の範囲に収まることが多いと考えられます。つまり、「どちらが絶対に得」と言い切れるほどの大差はつきにくく、
- 自分の走行距離・生活圏・充電環境
- 予算と、静粛性や加速感などの好み
といったポイントで選ぶのが現実的です。気になる車種があれば、販売店で具体的な見積りを取り、燃費(電費)の実測データや補助金情報も合わせて確認しながら、5年間の総額をシミュレーションしてみることをおすすめします。




















