「次の休みはどこへサイクリングに行こう？」
自転車好きなら誰もが抱く、嬉しい悩みです。しかし、インターネットで検索すれば情報は溢れかえり、絶景ルートやグルメスポットを一つひとつ調べて計画を立てるのは、なかなかに骨が折れる作業でもあります。自分の体力や好みにぴったりの、最高の旅をデザインしたい。でも、そのための時間や手間が…というジレンマを感じたことはないでしょうか。
もし、そんな旅の計画を優秀なアシスタントが手伝ってくれたら？
近年、目覚ましい進化を遂げている「生成AI」は、まさにそんな旅のパートナーになり得る存在です。膨大な情報の中から、私たちの曖昧なリクエスト「綺麗な景色が見られて、美味しいものが食べられるサイクリングコースを教えて！」に、的確な答えを提示してくれるかもしれません。そこで今回は、サイクリングの専門家である私が、生成AIに「絶景とグルメを巡る日本全国のサイクリング旅」を尋ね、その提案を元に、誰でも楽しめる最高のサイクリングプランを考察・ご紹介します。
AIと作るサイクリングプランの新しいカタチ
生成AIの最大の強みは、膨大なデータを瞬時に整理し、私たちの要望に合わせて最適な選択肢を提案してくれる点にあります。「初心者向け」「坂道が少ない」「海の幸が食べたい」「1泊2日」といった条件を付け加えるだけで、無数の組み合わせの中から、あなただけのオリジナルプランの骨子をあっという間に作り上げてくれます。今回は、数あるAIの提案の中から、特に魅力的で、多くの人が楽しめるであろう「王道かつ至高」の4つのエリアを厳選しました。AIが描く夢のサイクリング旅へ、さあ一緒に出かけましょう。
【瀬戸内】AIもイチオシ！サイクリストの聖地「しまなみ海道」
生成AIに「日本で最も有名なサイクリングコースは？」と尋ねると、真っ先に名前が挙がるのが、この「しまなみ海道」です。広島県尾道市と愛媛県今治市を、瀬戸内海に浮かぶ6つの島と7つの壮大な橋で結ぶ、全長約70kmの海の道。AIがこのコースを推薦する理由は明確です。「世界有数の美しい橋梁」「穏やかな瀬戸内海の多島美」「初心者から上級者まで楽しめる整備されたルート」という、三拍子揃った魅力にあります。
絶景ポイント：
来島海峡大橋から眺める夕日は、まさに息をのむ美しさ。世界初の三連吊橋が夕日に染まる光景は、旅のハイライトになること間違いありません。また、道中の島々から見上げる橋の造形美も見事です。
グルメ：
AIは地域の特産品もしっかりリサーチ済み。瀬戸田の国産レモンを使ったスイーツやジェラート、大三島で味わう新鮮な海鮮丼、そして旅の起点・終点である尾道のご当地ラーメンも見逃せません。心地よい疲労感の後に味わうグルメは格別です。
専門家からのワンポイント：
全長70kmと聞くと気後れするかもしれませんが、心配は無用です。ルート上にはレンタサイクル拠点が多数あり、電動アシスト自転車（e-bike）も充実。体力に合わせて途中の島まで船で渡ったり、片道だけで走り切ってバスで戻ったりと、自由なプランニングが可能です。初心者の方は、まずは一つの島をのんびり一周するだけでも十分に楽しめますよ。
【滋賀】日本一の湖を巡る「ビワイチ」で達成感を
次にAIが提案してくれたのは、日本最大の湖・琵琶湖を一周する「ビワイチ」です。全長約200kmという壮大なスケールは、サイクリストの冒険心をくすぐります。AIは「変化に富んだ湖畔の風景」「歴史的な街並み」「近江牛などのブランド食材」を魅力として挙げています。
絶景ポイント：
湖西エリアに佇む、湖の中に大鳥居が立つ「白鬚神社」は、神秘的で絶好のフォトスポット。また、北部に位置する「奥琵琶湖パークウェイ」のつづら折りの道から見下ろす琵琶湖の景色は、登った者だけが味わえるご褒美です。
グルメ：
ビワイチの楽しみは、何と言っても「近江牛」。サイクリングのエネルギー補給に、少し贅沢なランチはいかがでしょうか。他にも、彦根城周辺の城下町グルメや、琵琶湖で獲れる湖魚料理など、食の魅力にも事欠きません。
専門家からのワンポイント：
一周200kmを1日で走破するのは上級者向け。一般的には、1泊2日で巡るのがおすすめです。また、比較的平坦で走りやすい南湖（約50km）だけを巡るプランや、電車（サイクルトレイン）を活用して一部区間をショートカットする方法もあります。まずは無理のない範囲で計画を立て、琵琶湖の雄大さを体感してみてください。
【北海道】雄大な大地を駆け抜ける「美瑛・富良野」
「もっと開放的な場所を！」というリクエストに対し、AIが自信を持って提案するのが夏の北海道、特に美瑛・富良野エリアです。どこまでも続くかのような丘陵地帯、パッチワークのように彩られた畑、そして遠くに望む大雪山系の山々。まさに「日本のスイス」とも称される絶景が広がっています。
絶景ポイント：
CMやポスターで有名な「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」が点在する「パッチワークの路」、そしてどこを切り取っても絵葉書のような風景が広がる「パノラマロード」は、自転車でゆっくり巡るのに最適です。
グルメ：
大地の恵みをダイレクトに味わえるのがこのエリアの魅力。採れたてのジャガイモやトウモロコシ、アスパラを使ったカフェランチは絶品。そして、サイクリングで火照った体に染み渡る、濃厚な牛乳で作られたソフトクリームは必食です。
専門家からのワンポイント：
美しい丘陵地帯ということは、つまりアップダウンが多いということ。景色に見とれて油断していると、意外と体力を消耗します。ここは迷わずe-bikeをレンタルするのが賢明な選択。坂道を楽々クリアして、気持ちよく丘の上からの絶景を楽しみましょう。ベストシーズンはラベンダーが咲き誇る7月頃です。
AIと共に、あなただけの最高の旅へ
今回、生成AIが提案してくれたコースは、いずれも多くのサイクリストを魅了してきた王道ルートでした。しかし、その提案は単なる情報の羅列ではありません。絶景という「視覚」と、グルメという「味覚」を結びつけ、私たちの旅への期待感を高めてくれる、優れたガイドのようでした。
AIは、私たちの最高の旅の「きっかけ」を作ってくれます。今回ご紹介したコースをベースに、「もう少し歴史に触れたいな」「温泉にも入りたいな」と、あなた自身の好みをAIに伝えてみてください。きっと、さらにパーソナライズされた、あなただけのサイクリングプランを提案してくれるはずです。
AIという賢い相棒と共に計画を立て、ペダルを漕ぎ出した先には、きっと素晴らしい風景と美味しいグルメ、そして忘れられない思い出が待っています。
