初めての中国旅行で気になるのは「治安は大丈夫? いくらかかる? どこへ行けば外れない?」という点でしょう。広大な国土に超近代都市と歴史遺産、絶景とグルメが同居し、移動や支払いの仕組みも独特です。本稿では要点をやさしく整理し、定番と穴場、さらに回しやすいモデルコースまで一気に俯瞰します。
治安の実情と安心して歩くコツ
主要都市の観光地は比較的落ち着いており、日中は歩きやすい印象です。一方で人混みでのスリや、観光地周辺のしつこい客引き、不透明な料金の交通手段には注意が必要。次のポイントを押さえると安心です。
- 人混みでは前ポケットや口の開いたバッグを避け、斜めがけで体の前に。
- 移動は地下鉄や公認タクシー、配車アプリを利用し、料金は事前に確認。
- 観光地での高額な茶館・土産店への勧誘はきっぱり断る。
- パスポートはチェックインや切符購入で必要。保管場所を決め、コピーや写真も携帯。
- 祝祭日や大型連休は混雑のため、チケットや入場予約は早めに。
支払いはキャッシュレス中心ですが、近年はAlipayやWeChat Payに海外発行のクレジットカードが連携しやすくなりました。少額の現金も念のため用意しておきましょう。
費用の目安と節約ヒント
都市・季節で変動しますが、概ねの目安は以下。
- 宿泊:ゲストハウス 100〜250元/泊、3〜4つ星 300〜900元、5つ星 1000元〜
- 食事:ローカル麺・点心 20〜40元、火鍋・地方料理 60〜120元/人、中上位レストラン 200元〜
- 交通:地下鉄 3〜7元、配車アプリ市内 20〜60元、高速鉄道(二等席)200〜600元程度の中距離が目安
- 観光:故宮 約60元、兵馬俑 約120元など(時期や政策で変動)
節約のコツは、繁忙期を外す(春節や国慶節は特に混雑)、都市間は高鉄の二等席、都市内は地下鉄+徒歩を基本に。朝食付きの宿を選び、電子決済のクーポンやシェアサイクルを活用すると小さな金額が積み上がります。
定番と穴場スポット
- 北京:故宮、天安門、万里の長城(慕田峪は比較的ゆったり)、胡同散策
- 上海:外灘の夜景、豫園、新天地、黄浦江クルーズ
- 西安:兵馬俑、城壁サイクリング、回民街の食べ歩き
- 成都:ジャイアントパンダ繁育研究基地、錦里・寬窄巷子、火鍋
- 桂林・陽朔:漓江下り、カルストの奇観、サイクリング
- 張家界:砂岩峰群の絶景、ガラス橋
一味違う穴場の例:
- 福建土楼(南靖・永定):円形の客家集落をのぞく暮らしの景観
- 平遥古城(山西):明清の街並みと城壁が残るタイムスリップ空間
- 開平望楼(広東):中洋折衷の塔屋群と水郷風景
- 青海湖:高原の大湖と菜の花(夏季が見頃)
- 厦門・鼓浪嶼:洋館とカフェが点在する海辺の散歩島
はじめてでも回りやすいモデルコース
東線ハイライト(6日)
- 北京着:天安門・故宮
- 万里の長城(慕田峪)と胡同カフェ
- 高鉄で西安へ、回民街で食べ歩き
- 兵馬俑と城壁サイクリング
- 高鉄で上海、外灘の夜景
- 豫園・旧市街で買い物、帰国
四川まるごと食と街歩き(5日)
- 成都着:錦里・寛窄巷子
- パンダ基地と茶館でのんびり
- 都江堰や楽山大仏の小旅行
- 火鍋・小吃めぐり、川劇の変面鑑賞
- 市場散策後に帰国
桂林・張家界の絶景周遊(6日)
- 桂林着、夜は兩江四湖のライトアップ
- 漓江下り〜陽朔、サイクリング
- 高鉄で張家界へ移動
- 武陵源エリアで奇峰群トレイル
- ガラス橋と天門山
- 市内散策後に帰国
準備と移動のコツ
- 入国条件や各種手続きは最新の公式情報を事前に確認。
- 列車は12306(英語版)や正規代理店で事前予約すると安心。
- eSIMやポケットWi‑Fiで通信を確保。海外サービスにアクセスしづらい場合があるため、オフライン地図と翻訳アプリを用意。
- 支払いはAlipay/WeChat Pay+クレカ連携が便利。少額の現金も携帯。
- トイレは紙が無い場所もあるので、ポケットティッシュを常備。
- 混雑時は時間に余裕を持ち、案内表示・行列のルールに従う。
ポイントを押さえれば、中国旅行は想像以上にスムーズで奥行きある体験に。まずは定番で基礎を固め、1カ所だけ穴場を混ぜるのがおすすめ。移動は高鉄を軸に、都市内は地下鉄で。費用はメリハリをつけ、食体験には少し余裕を。興味に合わせて、無理なく組み替えてみてください。




















