マンションの広告を見ていると、「専有面積〇〇㎡(壁芯)」や「内法面積」など、似ているようでよくわからない言葉が出てきます。「同じ70㎡なのに、この物件のほうが広く感じるのはなぜ?」と疑問に思ったことがある方も多いはずです。
この記事では、マンションの面積表示でよく出てくる「壁芯(かべしん)」と「内法(うちのり)」の違いと、部屋選びのときにどんな点に注意すればよいかを、できるだけやさしい言葉でまとめます。
壁芯と内法、ざっくり言うとどんな違い?
まず、イメージからつかんでみましょう。
- 壁芯:壁の「中心」から計った面積
隣の部屋との境の壁や、外壁の「真ん中」を基準にして測る方法です。
→ 壁の厚みの「半分」くらいが、面積に含まれているイメージです。 - 内法:壁の「内側」だけを計った面積
実際に人が歩ける「内側の空間」だけを測る方法です。
→ 壁の厚みは面積に含めません。
同じ部屋でも、壁芯で測ると数字が大きくなり、内法で測ると少し小さくなるのが普通です。マンション広告では、主に「壁芯」で表示されることが多いのがポイントです。
どうして2種類もあるの?どこで使い分けている?
「面積なんて1つでいいのでは?」と思うかもしれませんが、実は使われる場面が違います。
- 広告・パンフレット・不動産サイト
多くの場合、専有面積は「壁芯」で表示されます。
数字が大きく見えるため、各社ほぼこのルールにそろえています。 - 登記簿(不動産登記)に記載される面積
法務局に記録されるマンションの面積は、基本的に「内法」で登記されます。
こちらのほうが「実際の室内の広さに近い」という考え方です。
そのため、登記簿に載っている専有面積と、パンフレットに載っている専有面積が違うということがよくあります。
「広告:70㎡(壁芯)、登記:65㎡(内法)」のように、数㎡の差が出るのはごく普通のことです。
どれくらい違うの?数字のギャップをイメージしてみる
壁の厚みは、構造や場所によって変わりますが、マンションの戸境壁(隣戸との間の壁)はしっかり厚めに作られています。そのため、壁芯と内法の差は、専有面積全体の3〜10%ほどになることが多いです。
たとえば…
- 広告:70㎡(壁芯)
- 実際に歩き回れるイメージ:約63〜67㎡(内法)
という具合です。数値で見ると「少し小さく感じる」かもしれませんが、壁の厚さも含めた建物全体の安全性を確保するためには、ある程度の差は避けられません。
よくある誤解:「70㎡なら広さは同じ」ではない
マンション探しでよくあるのが、
- Aマンション:専有面積70㎡
- Bマンション:専有面積70㎡
とあったときに、「同じ70㎡なら、どっちも同じくらいの広さだろう」と考えてしまうケースです。
ところが、
- 共用廊下側の壁が厚い
- 構造柱が室内に少し出っ張っている
- 間取りの取り方で、廊下部分が長い
といった違いだけで、「体感する広さ」がけっこう変わります。
また、物件によっては、パンフレットの数値は壁芯なのに、他の資料では内法で書いてある場合もあり、単純に数字だけを比べると、実際の印象とズレてしまうことがあります。
部屋探しのときにチェックしたいポイント
では、一般の人が部屋を選ぶとき、どこを意識すればよいのでしょうか。ポイントをいくつか挙げます。
- 「壁芯」か「内法」かを必ず確認する
広告や資料では、
「専有面積:70.00㎡(壁芯)」
「内法面積:○○㎡」
などと書かれていることがあります。
「この数値はどの測り方ですか?」と仲介会社に遠慮なく聞いてOKです。 - 数字だけでなく、間取り図と現地の体感を重視する
同じ70㎡でも、
・リビングが広めで部屋数が少ないプラン
・部屋数は多いが1室ごとがややコンパクトなプラン
など、使い勝手が大きく変わります。
家具の配置や生活動線をイメージしながら、図面と現地を見て判断するのが大切です。 - 「なんとなく狭く感じる」の正体を考える
内法の数値だけでなく、
・柱・梁(はり)の出っ張り
・窓の位置と大きさ
・天井の高さ
なども、「広く見える/狭く見える」に効いてきます。
数字よりも「この部屋で暮らす自分の姿」を想像しやすいかどうかが重要です。 - 過去の登記簿や資料も見せてもらう
中古マンションの場合、登記簿謄本の面積(内法)がどれくらいかを確認しておくと、「この物件の実際の室内の広さ」をより具体的にイメージしやすくなります。
「損したくない」なら、数字より「暮らしやすさ」を優先
壁芯と内法の違いを知ることは大切ですが、最終的に暮らすのは「㎡」ではなく「空間」です。
・家具を置いたときに動きやすいか
・家族が同時に過ごしても窮屈に感じないか
・日当たりや風通しはどうか
など、毎日の生活に直結するポイントのほうが、長く住むほど効いてきます。
面積の数字は、あくまで物件を比較するための「目安」です。
そのうえで、「この数字は壁芯か内法か」「どれくらい差があるのか」を理解しておくと、広告の見方や物件選びの精度がぐっと上がります。
「70㎡だからOK」「60㎡だから狭い」と決めつけず、実際の空間を自分の目で確かめ、体感した印象を大事にする。
それが、マンションの面積表示とうまく付き合う、いちばんのコツと言えそうです。





















