「シンデレラみたいに素敵な結婚式にしたい」「ヨーロッパの花嫁のジンクスを取り入れてみたい」。そんなときに出てくるのが、花嫁の左足の靴にコインを忍ばせる「シックスペンス」のおまじないです。聞いたことはあるけれど、実際の意味や起源までは知らない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜ花嫁は靴にシックスペンスを入れるのか、その意味や歴史、そして日本の結婚式に取り入れるときのアイデアを、できるだけ分かりやすく紹介します。
「シックスペンス」とは何か?
シックスペンスとは、かつてイギリスで使われていた「6ペンス硬貨」のことです。現在は流通していませんが、イギリスやヨーロッパでは長く親しまれてきたコインで、特に結婚式の場面では幸運のお守りとして大切にされてきました。
日本円にするとごくわずかな金額ですが、「お金そのものの価値」よりも、「象徴としての意味」が重視されているのがポイントです。古いコインならではのアンティークな雰囲気も、花嫁のおまじないとして人気の理由の一つです。
有名な花嫁のジンクスの一部だった
シックスペンスは、イギリスの有名な花嫁のジンクスの一節として語り継がれています。
その有名なフレーズがこちらです。
“Something old, something new, something borrowed, something blue, and a sixpence in her shoe.”
日本語にすると、
- 何か古いもの(Something Old)
- 何か新しいもの(Something New)
- 何か借りたもの(Something Borrowed)
- 何か青いもの(Something Blue)
- そして靴の中にシックスペンスコインを(and a Sixpence in her Shoe)
という意味になります。日本でも上の4つは広く知られていますが、最後の「シックスペンス」だけは省略されていることが多く、「え、そんな一節があったの?」と驚く花嫁さんも少なくありません。
靴にシックスペンスを忍ばせる意味
では、なぜ「靴」に「コイン」を入れるのでしょうか。ここにはいくつかの象徴的な意味が重なっています。
1. 経済的な豊かさの象徴
コインは、昔から「富」や「繁栄」の象徴とされてきました。結婚生活を始めるふたりにとって、お金は現実的なテーマでもあります。「お金に困らないように」「堅実に暮らせますように」という願いを込めて、花嫁の靴にシックスペンスを入れる習慣が生まれたといわれています。
2. 家庭の安定と幸運のお守り
足元は、人生の「土台」をイメージさせる場所です。その足元に幸運のコインを忍ばせることで、「家庭が安定するように」「人生の歩みが幸せな方向に進むように」という祈りを込める意味もあると考えられています。
3. 新郎とのパートナーシップの象徴
一部の地域では、もともとシックスペンスを用意するのは「新郎の役目」とされていました。新郎が花嫁にコインを渡すことで、「これからの生活を一緒に支えていく」という意思表示のような、ちょっとロマンチックな意味合いも含まれていたと言われています。
習慣の起源とヨーロッパでの広がり
シックスペンスのおまじないは、主にイギリス発祥とされています。もともとはビクトリア時代(19世紀ごろ)に広まったとされ、当時のイギリスでは、花嫁の父親が娘にコインを渡す習慣もあったと言われています。
この習慣はやがて、イギリス全土からヨーロッパへ、さらにアメリカへと広がり、アンティークショップやウェディング専門店で「ブライダル用シックスペンス」として販売されるようになりました。硬貨としての役割を終えたあとも、「結婚式のお守り」として生き続けているのが興味深いところです。
日本の結婚式でどう取り入れる?
「意味は素敵だけど、実際に靴にコインを入れるのは痛そう」「和装のときはどうするの?」という疑問も出てきます。そこで、日本の結婚式でも取り入れやすい、いくつかのアレンジ方法を紹介します。
1. 靴の中敷きの下に入れる
一番ポピュラーなのが、ヒールやパンプスのインソール(中敷き)の下にシックスペンスを忍ばせる方法です。直接足に当たらないので痛くなりにくく、見た目にも影響しません。歩きにくくないか、事前に試着して確認しておくと安心です。
2. ブーケやブートニアに縫い付ける
どうしても靴に入れるのが不安な場合は、ブーケリボンの裏に縫い付けたり、新郎のブートニアの裏にこっそり留めたりするアイデアもあります。「本来の場所」ではないものの、ふたりを見守るお守りとして近くに置いておくイメージです。
3. 和装の場合は懐や小物に
和装での挙式や前撮りのときは、懐や小さなポーチにしまっておく方法もあります。写真撮影のときに「実は今日はシックスペンスを忍ばせているんです」とカメラマンに伝えて、コインが写るようなカットを撮影してもらうのも思い出になります。
4. 両親からのサプライズギフトに
挙式前に両親から花嫁へ、あるいは新郎から新婦へ、シックスペンスを手紙と一緒に渡す演出も人気です。「あなたの幸せを願って」「一緒に歩んでいこう」というメッセージが、コインという形あるものになることで、より心に残るセレモニーになります。
本物がなくても「想い」があればOK
本来のシックスペンス硬貨はすでに発行が終わっているため、本物を手に入れるにはアンティークショップや通販を利用する必要があります。ですが、近年は「シックスペンス風」のレプリカコインや、メダル型チャームも多く販売されています。
大切なのは、「結婚生活が豊かで幸せなものになりますように」という想いです。本物のコインかどうかにこだわりすぎず、ふたりらしい形で取り入れるのがおすすめです。
まとめ:足元からそっと、ふたりの未来を願うおまじない
花嫁の靴に忍ばせるシックスペンスは、
- 結婚後の経済的な豊かさと安定を願うお守り
- 人生の土台となる「足元」を幸運で満たす象徴
- 家族や新郎から花嫁への、ささやかな愛情表現
といった意味を持つ、ちょっとレアでロマンチックなウェディングの雑学です。
もしあなたが、結婚式に「もうひとつだけ特別なエピソードを加えたい」と思っているなら、シックスペンスのおまじないを取り入れてみるのも一つの方法です。ゲストにはあえて当日まで秘密にしておいて、後から写真と一緒にエピソードとして紹介すれば、思い出話にも花が咲くはずです。























