積立投資と一括投資、どちらがトクなのか?
まとまったお金があると「一気に投資すべきか、少しずつ積み立てるべきか」で悩む人は多いです。
一括投資の方が「早く投資して早く増やす」という意味では有利に見える一方で、「買った直後に暴落したらどうしよう」という不安も大きくなります。
この記事では、長期のリターンと下落リスクの両面から、積立投資(ドルコスト平均法)と一括投資をデータ風のシミュレーションで比較し、どう考えればよいかを整理します。
前提条件:10年間・年平均リターン5%の世界を仮定
ここでは、以下のようなシンプルな前提で比較します。
- 投資対象:世界株インデックスのような「長期で平均5%成長する」資産
- 運用期間:10年間
- 投資額:合計120万円
- 一括投資:初日に120万円をまとめて投資
- 積立投資:毎月1万円を10年間(120か月)積み立て
実際の市場はもっと上下に動きますが、ここでは「平均すると年5%で成長しつつ、毎年ある程度の値動きがある」というイメージで考えてください。
長期リターンの比較:平均では「一括投資」がやや有利
まずは、10年間での最終金額のイメージをざっくり比べてみます。
| 投資方法 | 投資タイミング | 想定平均年利 | 10年後の概算額 |
|---|---|---|---|
| 一括投資 | 初日に120万円 | 年5% | 約195万円 |
| 積立投資 | 毎月1万円×120回 | 年5%(平均) | 約155万円 |
一括投資の方が、最初からフルに市場に参加している分だけ、平均リターンは高くなりやすいのが分かります。
これは多くの海外の過去データ分析でも、
- 長期で「平均リターン」だけを見るなら、一括投資が積立投資より有利なケースが多い
といった結果が繰り返し示されている傾向と合致します。
下落リスクの比較:「心の安定」は積立投資が有利
では、リターンだけで一括投資を選べばよいかというと、そう単純でもありません。
とくに気になるのは「投資直後に大きく下がるリスク」です。
一括投資の場合:
- 投資直後に20%下落すると、120万円 → 96万円と、含み損が一気に24万円
- 心理的ダメージが大きく、「もう投資はこりごり」と途中でやめてしまうことも
積立投資の場合:
- 最初の方は投資額が少ないため、大きく下がっても損失額はまだ小さい
- 「安く買えるチャンス」とポジティブに捉えやすい
- 価格が上下しても機械的に買い続けるので、平均購入単価が慣らされる
下のインフォグラフは、「投資開始後3年以内に20%以上の一時的な含み損になる確率」のイメージ図です。
同じ市場に投資していても、「大きな含み損を早い段階で体験する確率」は、一括投資の方が高くなりやすいと考えられます。
長期投資では「続けられること」が非常に重要であり、その意味では、積立投資は心理的なブレーキを弱めてくれる方法と言えます。
性格と目的で選ぶ:ハイブリッドも有力な選択肢
積立投資と一括投資のどちらが良いかは、「数字の有利さ」と「心の安定」のバランスで考えるのがおすすめです。
- 少しでも平均リターンを高めたい / 価格変動にあまり動じない人
→ 一括投資の比率を高める選択肢 - 暴落が怖い / 初心者で続けられるか不安な人
→ 積立投資中心で、慣れてきたら一括を一部取り入れる
実務的には、次のような「ハイブリッド型」も現実的です。
- 120万円のうち、60万円を一括投資、残り60万円を1年間で積立
- ボーナスが出たときに、その一部を追加の一括投資として投入
こうすることで、「市場に早く参加してリターンを取りにいく部分」と「時間を分散して下落リスクを緩和する部分」を両立しやすくなります。
まとめ:自分が「続けられる」方法を軸に決める
- 平均リターンだけ見ると、一括投資の方がやや有利になりやすい
- 一方で、短期的な下落リスクや心理的ストレスは、一括投資の方が大きい
- 積立投資は、価格変動を慣らしつつ、長く続けやすいしくみと考えられる
- 「一括+積立」の組み合わせで、自分の性格と目標に合う配分を探すのも有効
大切なのは、「長期で続けられるやり方」を選ぶことです。
数字の有利不利だけでなく、値動きへの耐性や、他の生活コストとのバランスも含めて、自分にしっくりくる投資スタイルを設計してみてください。























