「一生に一度は見てみたいピラミッド」「悠久のナイル川を旅してみたい」…エジプト旅行と聞くと、多くの人が壮大な歴史ロマンに胸を躍らせるのではないでしょうか。しかしその一方で、広大な国土に点在する無数の遺跡、治安や文化の違い、そして何より「どこをどう回るのがベストなの？」という計画の難しさに、一歩踏み出せない方も少なくありません。
もし、膨大な情報を整理し、論理的な答えを導き出すのが得意な「生成AI」に、エジプト旅行の最適プランを尋ねたらどうなるでしょう？ 今回は、最新の生成AIが提案するプランをベースに、長年エジプトの魅力に触れてきた専門家の視点を加え、絶景と歴史を余すことなく味わうための「本当に使える旅のプラン」を考察・提案してみたいと思います。
生成AIが導き出した！王道かつ完璧なエジプト周遊ルート
まず、生成AIに「絶景と歴史を巡るエジプト旅行の最適ルート」を尋ねると、驚くほど効率的で理にかなった王道プランが提示されます。それは、ナイル川の流れに沿って南下し、再び北上するという、地理的にも理にかなったルートです。
カイロ → アスワン →（ナイル川クルーズ）→ ルクソール → カイロ
このルートの最大のメリットは、移動の無駄が少ないこと。まず飛行機で南の玄関口アスワンまで一気に飛び、そこからナイル川クルーズ船でゆったりと川を下りながら、点在する神殿を巡り、古代の都ルクソールを目指します。体力的な負担が少なく、ハイライトが凝縮されているため、特に初めてエジプトを訪れる方にとっては、まさに「最適解」と言えるでしょう。このAIが示した骨格を元に、各都市での具体的な楽しみ方を見ていきましょう。
【カイロ編】喧騒と古代文明が交差する街の歩き方
旅の始まりと終わりを飾る首都カイロ。AIはまず、ギザの三大ピラミッドとスフィンクス、そしてエジプト考古学博物館を必見スポットとして挙げます。これは当然の選択です。
専門家からのアドバイスとしては、ピラミッド観光は絶対に「午前中の早い時間」がおすすめです。日中の強烈な日差しと世界中から押し寄せる観光客の波を避けることができ、荘厳なピラミッドと静かに対峙する時間を少しでも長く確保できます。また、内部の見学（クフ王のピラミッドなど）は、狭く急な通路を進むため、体力に自信のある方向けです。
「ツタンカーメンの黄金のマスク」で知られるエジプト考古学博物館ですが、現在はギザに新設された「大エジプト博物館（GEM）」へ順次収蔵品が移されています。渡航前に最新の開館状況と展示内容を必ずチェックしましょう。夜は、活気あふれるハン・ハリーリ市場でショッピングを楽しむのが定番。独特のエキゾチックな雰囲気の中で、値段交渉も旅の醍醐味の一つです。
【ナイル川クルーズ編】悠久の流れと共に旅する贅沢な時間
エジプト旅行のハイライトといえば、やはりナイル川クルーズでしょう。AIの提案通り、アスワンからルクソールへ向かう3泊4日程度のクルーズが最もポピュラーです。
アスワンでは、古代の石切り場に残された「未完のオベリスク」や、ナイル川の女神イシスを祀る美しい「フィラエ神殿」を訪れます。船はコム・オンボ神殿（ワニの神とハヤブサの神を祀る珍しい二重構造の神殿）や、エドフのホルス神殿（保存状態が極めて良いことで有名）などに寄港しながら、ゆっくりとナイル川を下っていきます。
クルーズの魅力は、移動そのものが観光になること。デッキのサンベッドに寝そべり、移りゆく川岸の景色を眺める時間は、何物にも代えがたい贅沢です。緑豊かな農地、水辺で遊ぶ子供たち、ロバに乗って畑へ向かう人々…何千年も変わらないであろうナイルの営みを肌で感じることができます。夕暮れ時には、空と川面がオレンジ色に染まる絶景が待っています。
【ルクソール編】古代の首都！巨大神殿群に圧倒される
「世界最大の野外博物館」と称されるルクソール。ナイル川を挟んで東岸と西岸に見どころが分かれています。AIもこの両岸を巡ることを推奨しています。
・東岸（生者の都）：巨大な列柱が林立する「カルナック神殿」と、夜のライトアップが幻想的な「ルクソール神殿」が中心です。特にカルナック神殿の大列柱室は、そのスケールに誰もが言葉を失うはず。人間の小ささを実感するほどの迫力です。
・西岸（死者の都）：歴代のファラオたちが眠る「王家の谷」、古代エジプトで最も有名な女王の葬祭殿「ハトシェプスト女王葬祭殿」、そして朝日を浴びる「メムノンの巨像」が必見です。王家の谷では、保存状態の良い壁画の色彩に驚かされることでしょう。時間に余裕があれば、ぜひ早朝の熱気球ツアーに参加してみてください。上空からナイル川と古代遺跡群を一望する体験は、一生の思い出になります。
【特別編】旅のハイライト！アブ・シンベル神殿への小旅行
もし旅程にもう1日加える余裕があるなら、生成AIも強く推薦するのが「アブ・シンベル神殿」への日帰り旅行です。アスワンから早朝にバスで出発するか、飛行機を利用します。
ここは、偉大なるファラオ、ラムセス2世が自らの権威を示すために建造した巨大な岩窟神殿。正面に鎮座する4体の巨大なラムセス2世像は、見る者を圧倒します。この神殿が、アスワン・ハイ・ダムの建設によって水没の危機に瀕し、ユネスコの主導で正確に分割・移設されたという現代の物語も、また感動的です。砂漠の果てに突如現れる巨大神殿を目の当たりにした時の感動は、まさに旅のクライマックスにふさわしいものです。
生成AIが提案するプランは、効率的で無駄がなく、確かに「最適」と言えます。しかし、旅の本当の価値は、プラン通りに名所を巡ることだけではありません。市場での何気ない会話、ナイル川の夕日を眺めながら物思いにふける時間、荘厳な遺跡の前で感じる歴史の重み。このプランを最高の「たたき台」として、ぜひあなただけの特別なエジプトの物語を紡いでみてください。
